このモデルカー版の魅力はなんといってもフルノーマルでの再販であろう。
私の記憶が確かならY32シーマのキットとしてはシャコタンブギシリーズの水谷くんのシーマが最後かと思う。
ノーマルでは素のベストカーシリーズ、エアロ仕様ではおそらくジャンクション仕様が最後とかなと思われる。
いきなりだが不躾な画像で恐縮であるが90年代のアオシマの名作ということもあり
ボディは実車の雰囲気がよく出ていると思う。
キットそのものは皆様ご存じの方が多いと思うのでスルーしてしまうが
モデルカー版のオマケパーツの多さはもはやこのシリーズのお約束でもあり楽しみなポイントであると思う。
そして私が一番楽しみにしていたのがこのパーツである・・・・・・
無印VIPカーシリーズのキットに付属していたプレジ風グリルである。
このパーツ、当時は結構衝撃で横基調のイメージが合ったY32シーマのグリルが
プレジ調の縦になったインパクトは相当な物であった・・・・・・
実際にこの手のパーツというのはあったような記憶がないのだが
横基調のグリルに縦基調のグリルを入れると言うネタは
TMオートパーツのY32セドグロ用インフィニティQ45後期グリル流用キットあたりのインスパイアを感じるがどうであろうか?
(そう言えば前期インフィニティの後期グリル移植キットなどもあった覚えがある)
無印VIPカーシリーズのキットはこのグリルとAMEモデラートエクセレントとのカッコよさも相まって好きなキットであった。
アオシマのモデラートエクセレントはややリムが浅かったので別のリムを足してシーマのリアに合わせたことを思い出す・・・
アオシマ謹製エアロもフロントリップはメッキというSパッケージ世代には嬉しい演出・・・・・・
メッキパーツを増やすということはコスト的にも大変だと思うがこの心意気が嬉しい。
時代は変わりメッキ調塗料やメッキシールなども進化しているが
やはりメッキパーツの質感にはかなわない所もあると思う・・・・特にこういうパーツでは顕著だろう。
アオシマ謹製エアロのリアスポイラーはなんとなく純正のリップタイプにも見えるのでこだわられる方は
少し弄ってそれっぽくしてみると良いかと思われる・・・・・・
ちなみに無印VIPカーシリーズ等に付属していたローダウンパーツも同梱されている。
そして長らく再販されていなかったノーマルホイールは10年ほど前のベストカーGTシリーズで再販された
レパードJフェリーのおまけ以来と思われる・・・・しかもメッキ・・・・メッキフェチにには嬉しい演出である。
あの時にJフェリー用のホイールとシーマのホイールが
同じランナーにあるのを確認できたことが最大のトビックであった事を思い出す。
そのおかげで今回は実車のシーマにも設定があった鍛造アルミホイールが入っている。これは嬉しい・・・・
センターのシーマキャップのデカールがあればよかったがこれはキモヲタのわがままであるので
気になった方はデカールを自作されてみてはいかがであろうか?
グレードの作り分けというは地味に大変だし、このキットを買われる方はそういう所にもこだわりがある方だと思うの
140マジェスタやアリストの時もそうであったがとにかく実車にも展開されている形状の別キットのホイールを
おまけパーツとして入れてくれたことに意義があると思うし、なによりマニア泣かせである。
そしてデカールも新規となって作り直されているのが嬉しい所である。
メーターやアナログ時計のデカールが泣かせる・・・・Y32系にはやはりアナログ時計が似合う・・・・
個人的に好きなのはOKマーク代わりに貼られていたPASEEDの楕円ステッカーである。
これは一部の車種で貼られていたものであったが、剥がれているケースが多く(剥がされてしまう事も多かったと思われる)
たまに残ってる個体を見ると興奮していたものである・・・・・
他にもS.F.C(スーパーファインコーティング)のステッカーや新旧車検ステッカー等も抜かり無い。
品川二桁ナンバーに現行車検ステッカーでワンオーナーサヴァイヴァー個体を作るもよし
旧ステッカーで当時の雰囲気を味わうもよし・・・・・味付け方は皆様次第である。
Y32シーマの当時の個人的な印象だが、子供心に率直に渋いと感じていた。
子供に渋さが解るのか?という疑問はさておいて
走っていても停まっていてもとても美しい・・・・・渋さの中にそういう色気もある車だと思う。
名車Y31シーマの後継モデルと言う事で話題性は十分だったが
セドリック・グロリアのグランツシリーズやインフィニティQ45との間に挟まれ
初代ほどの印象がなかったような気がすると評する向きもいらっしゃるが
解る人に解ってもらえれば良いと言っているような雰囲気に惹かれる人も多いのではないだろうか?
余談ではあるが以前お世話になっていた日産ディーラーの工場長様曰く
前期は途中まで4,1リッターのみという設定とトヨタのセルシオの存在が販売上ネックとなり
初代の雰囲気とサイズ感が好きだった人は排気量等の事も含めセド・グロに流れた方も居たという印象だったそう。
しかし短期間で初代が作り上げたシーマというブランドの流れでご指名買いがあったのも事実だそう。
つまり「シーマじゃなくてはいけない」というファンも多かったのだと思う。
実際問題当時は結構走っていたので見かける頻度も割と多かったイメージである。
※後期型カタログよりオプション装着の参考画像
冒頭でも書いたがこのクルマの存在は鼻っから夢だった・・・・
というのも免許を取った頃はシーマもだいぶ値段がこなれて来ていたが
「シーマ」に乗るというのは私には大それたことであり、4,1リッターの税金の問題はとても高いハードルだった。
フルエアロを組んだY32シーマも好きだったが、ノーマルに18インチアルミを入れて
ちょっと落とすくらいのスタイルに憧れた物である・・・・・ボンネットマスコットはゴールドが望ましい。
そういえば若い頃にY32セドリックで粋がっていた頃、深夜のコンビニで隣に停まった
フルノーマルのKH3ブラックのタイプⅢリミテッドのタン内装に乗った少しヤンチャそうな女性と目が合った際に
思わず会釈をしてしまって、向こうも返してくれた事を思い出した・・・・
少し派手な見た目の女性とブラックのY32シーマが似合っていた。
その時も平静を装っていたが「あぎゃあああ!!!KH3で鍛造アルミにタン革wwwwうぎゃあああ!!!」と言う
オタク心が内心勝っていたのがとても私らしいと今でも思ってしまう。
※前期型カタログよりタン内装の参考画像
地元にも多かったギャルヤンっぽい感じの娘がボロボロのエアロを巻いて
フラワーレイにネオン管に飾ったようなY32シーマも好きだったのはここだけの話である。
他にも語り尽くせないエピソードがあるが、今思うと無理をしてでも乗ってみたかった感じもあるが
今とならなんとも言えるだけなのでツッコミはご勘弁頂きたい。
例によってざっくり紹介&キットの確信に触れない&思い出話で恐縮だが
兎にも角にも気になっていた方はお早めに入手されることをおすすめしたい・・・・
ノーマル+αで組まれるなら最新版のこのキットが最良の選択だと思う。
最後におまけとして前期型(92年アテーサE-TS追加後のS-four掲載カタログ)の
カラーチャートをご紹介させていただきたい。
※前期型カタログよりボディカラーの参考画像
個人的にはFL0ライトグリニッシュシルバーかLK0パープリッシュグレーが好みであるが
見て頂いた皆様はどの色で組まれるのだろうか?
こう見るとこの頃の車はある意味では贅沢だったのだと感じた次第である・・・・・